新しい球場ができたり、普段プロ野球をやっていない球場で野球があると聞くと、思わず見に行ってしまう。
09月01日・02日の「ヤクルト対阪神」が目当ての試合であったが、まずはチケットを買うために08月31日に札幌ドームに向かった。
新千歳空港で車を借りて、一般道を札幌に向かう。
運悪く、空は濃い灰色で、いつ雨が降ってもおかしくない。
札幌市内に入ると、いきなり叩きつけるような雨が降ってきた。しかし、前もよく見えないような状況でも北海道のドライバーは速度を落とさずに突き進んでいく。おかげで隣を走った車の飛ばした雨水がフロントガラスに当たって余計に前が見えない。
どうやら一時的な雨だったようで、数分間の緊張感のある運転のあとは、こちらの気持ちを和らげるかのように、空はこれこそ空というような水色になり、太陽は淡い光を放ち始めた。
そのとき、他に何もない平原に、巨大なドームが浮かび上がった。屋根に残った水滴のせいか、銀色のドームが、より光り輝いているように見える。
イベントが何もない日だったので人はほとんどいない。
車を止めて、総合案内所(=切符売場)に向かった。
ドームはさすがに大きい。駐車場とは180度反対側にある総合案内所まで、ドームの外周に沿って歩いていく。札幌の山々がよく見える。
すぐにチケットは買えた。売場の女性の愛想も非常に良く、残っている座席の中でもより見易い席を教えてくれた。神奈川県にある某球場にも見習ってもらいたいものだと思った。
また180度反対側に戻らないといけない。せっかくなので同じルートを戻らず、一周するように進んでいった。
いきなり、その日は外に出してあった天然芝のサッカー場が目に飛び込んできた。雨上がりで芝がミゴトなまでに青々しく見える。思わず立ち止まって数分間見とれてしまった。今度はサッカーの試合も見に来ないといけない。
09月01日。
札幌から地下鉄東豊線に乗って終点の福住で降りる。地上に出ると、早くもヤクルトと阪神のグッズを並べた露店が軒を並べている。
人の流れに乗って、歩いていくと、ほどなくドームが見えてきた。意外に近かった。また、前日とは異なった角度でドームを見ると、また違った印象を受けた。真正面に見える展望台からの大都市・札幌の夜景にも魅力を感じる。今度は登ってみよう。
ドームの中に入ると、各飲食テナントの前に多くの人が列を作っている。お腹はすいていたが、なにも急いで弁当を買うこともないと思い指定された席に向かった。
小生の席は、3塁側のBゾーン66通路63列58番であった。66通路を見つけ63列を発見したが、58番が見つからない。列の端が61番である。その(グラウンドを背にして)左隣が62番である。何もおかしいことはない。ところが、よくよく考えて見ると、61番の隣は62番ではなく60番でないといけない。少なくとも小生が行った今までの球場ではホームベース側からレフトスタンドに向かって、座席番号が大きくなっていく。ところが、札幌ドームでは座席番号がホームベース側に向かって小さくなっていくのである。。。結局、58番は61番と通路を挟んで反対側にあった。なぜか60番はなかった。
前後の座席の間隔が他球場と比べて広く、小生が座っても苦ではなかった。日本の詰め込み型の球場に慣れた小生にとって、この間隔の広さは革命的であった。
2回も終わり、そろそろ弁当を調達しようと思って、テナントのあるフロア-に行くと、相変わらず列が長い。4万人も入っているのだからしかたない。
とりあえず、目の前にあったKFCの列に並んだ。なかなか列は進まない。ふと、目を上げ、正面のメニューが書かれた看板を見ると、なんとチキンフィレサンドを除きすべて売切と書いてある。看板商品のフライドチキンすらない。この列に並んでいる人はみんなチキンフィレサンドだけを求めて並んでいるのである。あとで、他のテナントも確認したが、ほとんど売り切れ状態である。このままでは、7回くらいには飢えで騒ぎ出す人が出てしまう。
なんとかチキンフィレサンドを手にしたときには15分ほど経っていた。そのときでも列は相変わらず長い。席に戻ると既に4回である。小生を含めかなりの客が球場にいながら野球を見れないという環境に追いやられていたわけである。せめてプレーの見れないフロアーにはモニターを並べてほしいものである。
野球なら毎回休みがあるから客はバラバラと買い物に出るが、サッカーの場合は一回しかないハーフタイムに客が殺到することが考えられる。下手をすれば、後半すべてを見逃す人が出てくるかもしれない。飢えたフーリガンが暴れ出すことを想像するだけでも恐ろしい。。。
座席に戻る際に人が異様に集まっているところがあるのでのぞいてみると、喫煙室であった。完全に店員オーバーである。多分日本でもっとも人口密度の高いところではないかと思えるくらい、多くの人が煙を吹かせている。おかげで室内は濃霧状態である。入りきれない人が部屋の外でも煙草を吸い出した。目を凝らせてみると、濃霧の向こうにモニターが見えた。明らかにモニターの設置場所を間違っている。これならKFCのメニューの横に設置すべきである。(翌日、バックネット裏辺りでテナントの入っているフロアーをウロチョロしていると、大きな喫煙室もあった。でも状況は同じ)
あらためてスタンドを見渡すと、不思議なところにスコアボードが設置されている。3塁側内野席にいる小生にとっては真正面にあったので違和感はなかったが、よくよく考えれば、スコアボードがライトスタンドの上にある球場に来たのは初めてである。だいたいはセンターの後にあるのだが。。。とはいえ、センターの後にあるのが本当に正しいのかどうか判らないので、そういうもの(ライトスタンドにあっても良い)ということにしておこう。サッカーとの併用なので、どちらの競技を行っても問題のないところに設置されていると思う。やはりサッカーも見に来ないといけない。
それにしても座席にいると暑い。グラウンドに近い座席ではそうでもないようだが、小生のいた、ほとんど最上段に近いところでは、熱帯夜である。本州から来た小生が暑いと思うくらいだから、道産子にとってはかなり暑いであろう。
阪神の谷中が二度目の死球を稲葉に与えたとき、稲葉が怒ってマウンドに向かった。両軍ベンチから選手が飛び出してくる。アイスホッケーファンの小生は、常々野球における乱闘騒ぎの少なさにはヒトコトあったので、乱闘騒ぎを見れるのはありがたいことである。めったにプロ野球を見れない道産子も満足したことであろう。
それよりも気になったのは、両軍のベンチから人が出て来てマウンド附近に掛け付けるのに異常に時間がかかったことである。これではせっかくの乱闘騒ぎも興醒めである。ベンチからマウンドが遠すぎることが問題である。そのとき気が付いたのは、ファールグラウンドが異常に広いということである。キャッチャーとバックネットまでの距離は、ピッチャーとキャッチャーの距離よりも長いような気がする。あのファールグラウンドが大きいことで有名な甲子園球場も真っ青である。当然、1・3塁側のファールグラウンドも非常に広い。おかげで他の球場なら確実にスタンドに入ってファールになる打球が、ファールフライになってアウトになるケースが多かった。ファールフライでのアウトは野球でもっともつまらないプレーだと思うので、甲子園共々なんとかしてもらいたいものである。
神宮球場でのヤクルト対阪神のときは、阪神側の方が客が多いのだが、札幌では圧倒的にヤクルト側の方がたくさん客が入っていた。最初は、道産子の若松監督の凱旋試合ということだからと思っていたが、他球場の途中経過としてスコアボードに読売が広島にボロ負けしていることが表示されたとき、球場の盛り上がりは最高潮に達した。彼らは本当にヤクルトファンであったようである。これにはもっとも驚かされた。ヤクルトも札幌への移転を考えてはどうだろうか???
試合結果については割愛させていただく。
レフトスタンドからメガフォンが無数に放りこまれた。いつものことである。整理にきた係員に、メガフォンを投げたファンが「返してくれ」と叫んでいる。すると、係員はスタンドに向かって投げ返し始めた。なんともホノボノしている。
球場を出ると、無数のバスとタクシーが駐車場に並んでいる。それらに乗る人の行列は長いが、あまりに回転が早いので、そんなに待つことはない。バスも満員になるとすぐに発車し、すぐに次のバスが来る。人の輸送に関しては問題ないようである。
09月02日
相変わらず飲食テナントに列はできているが、デーゲームということで御飯を食べてきた人も多いせいか、前日よりはマシなようである。とはいえ、3回には、KFCから食べ物がなくなっていた。しかし、4回に再びのぞくと、なんと、「売切」表示がはずされていた。どうやら商品が再入荷されたようである。なんとも早い学習効果である。
いずれにしても、テナント数をもっと増やすべきであると思う。
阪神は、カツノリがパスボールし、藪が暴投し、広澤がエラーして点を取られた。やはり不安が的中した。藪が暴投したときには、例の広いファールグラウンドが災いし、2塁ランナーが生還してしまった。。。
池山が代打で出てきた。やはり大歓声である。本当にヤクルトファンは多いようである。
何の盛り上がりもないまま試合は終わった。試合結果についてはまたまた割愛させていただく。
前日はバスに乗ったので、タクシーに乗ってみた。相変わらず行列は長いが、タクシーもバス同様にモノスゴイ回転率で客をさばいていく。列の長さから想像する待ち時間より本当の待ち時間は圧倒的に短い。
総じて、札幌ドームの印象はよかった。
なによりも、スタンドが、最近多い階層式ではなく、なだらかな坂で1つの面になっている点(甲子園球場や福岡ドームと同じ)が、客のもっとも求めているプレーの見易さに答えていると思う。
(札幌ドームへの提言)
1.座席の配列順は、他球場と同じくホームベース側から外野席に向かって番号を大きくすべきでは。
2.上段の席にもエアコンを十分効かせるべき。
3.喫煙コーナーの拡張、もしくは廃止。
4.スタンドの裏側にモニターを増やすべき。
5.テナント数の増加
6.ファールグラウンドの面積縮小。
2001年に既に札幌ドームにお越しとは!!
その後、来られたかどうかわかりませんが、札幌ドームに成り代わり、わかる範囲で。
1.座席の配列順は、他球場と同じくホームベース側から外野席に向かって番号を大きくすべきでは。
おそらく、サッカー併用なため?
サッカーのセンターラインを基準に、
どっちを向いても半時計回りに席番がふられてるようです。
2.上段の席にもエアコンを十分効かせるべき。
現在、私は、真夏以外は寒い思いをしているのですが、エアコンが改善されたってことでしょうか。
3.喫煙コーナーの拡張、もしくは廃止。
喫煙者、多いんですよ、本当に。
廃止はムリかも。
4.スタンドの裏側にモニターを増やすべき。
今、テナントごとにモニターがあるし、あちらこちらにあるようなので、改善されたのかも。
デカいスクリーンもいくつか。
5.テナント数の増加
これも、かなり増えたはず。
屋台も増えました。
6.ファールグラウンドの面積縮小
確かに、広いですよね。
これはそのままみたいです。
スコアボードの位置に関しては、サッカー場ではどの辺に付くものなのでしょうか。
札幌ドームの現状だと、サッカー時もメインスタンドから見て斜め右側についてる形になります。
ちなみに、札幌ドームで日ハムのホームが3塁側なのは、
このボードの位置のせいと、正面玄関や監督控え室などが3塁側に近いなどの理由からです。
またお邪魔します。
コメントありがとうございます。
実は、なんだかんだ言いながら、札幌ドームにはできて以来毎年のように行っています。(交流戦が行われるようにもなったし) 今年は、東京から車で乗り付けてしまいました。
たぶん、「札幌ドームへの提言」のうち、(1)と(6)以外は改善されています。別にこのワタクシの意見が採用されたわけではないとは思いますが。。。
(1)と(6)は、やはりサッカーとの兼ね合いではないかと思います。
このワタクシ、仕事柄国内外のスポーツ施設には数多く行くのですが、札幌ドームは相対的に間違いなく上位に入る良い球場だと思います。
今年は、ドームの職員の方々にも大変世話になったので、道産子の野球ファンには大変感謝しています。
>>ちなみに、札幌ドームで日ハムのホームが3塁側なのは、のボードの位置のせいと、
>>正面玄関や監督控え室などが3塁側に近いなどの理由からです。
これは本当にナゾでした。
おかげで今日は良く眠れそうです。
ありがとうございました!
なお、今年の札幌ドームレポートもおってアップする予定ですが、、、
北海道ツアーの一部だけはアップしていますので、お時間があればどうぞ。
http://panchona.net/2006/06/post_27.html
このコメントからまだ1年経ってないんだなぁ…
と感慨にふけりました。。。
しかし、その一年弱の間に、ハムは優勝するし、阪「珍」は今日も負けるし、まったくもって盛りだくさんです。。。
(あ、勝った方がいいのか。。。)
111連勝のまだ序章です。
ていうか、まだ行ったことはないですけど…(苦笑)
むむむ、こんな古い話をよく掘り出されましたね。
まったくの偶然ですが、今札幌ドーム(&すすきのフィーバー)から帰ってきたところです。また、明日(というか既に今日)も乗り込みます。
何回行っても、12球団のうちでは上位に入る観戦し易い球場の一つだと思っています。
甲子園とか、神宮とか、横浜スタジアムとか福岡ドームとかと一緒で、客席が何段にも分かれていないのが見やすい理由だと思っています。
ちなみに、今日見た試合は、ハム対阪神の練習試合だったので勝敗を気にすることなく見れたのでなお良かったです。。。
開幕は、6月からではなかったでしょうか?