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ぱんちょなゴルフ道

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2005年07月20日

モンゴルの思い出

 今から干支が一回りするくらい昔、日本政府開発援助(いわゆるODA)の仕事でモンゴルに半年近く張り付いていました。羊の毛皮の質を良くするために、遊牧民のところに行って、ノミ取り用の薬剤を配っていたのです。

 当時(ひょっとすると今も同じかもしれません)のモンゴルには、携帯電話など当然なく、固定電話すらありません。もっとも遊牧民に固定電話が要るのかと聞かれると、なんとも答えようがありませんが。
 とにかく、首都のウランバートルに何回線かの電話があるだけで、ホテルに泊まっても部屋には電話はなく電話局の交換手に繋ぐための電話がホテルのロビーにあるだけでした。そして、その電話にはダイヤルがなく、ノッペラボウの機械に受話器がついているだけです。
 なお、当時のモンゴルではホテルに泊まるなんてことはほとんど期待できず、基本的にはゲル(パオ)に泊まっていました。

 当時、ボクには彼女がいました。二人とも24歳でした。こちらの誕生日が1月、彼女は4月です。ボクの24歳の誕生日に、彼女は「絶対に25歳になるまでに結婚したい」と言いました。ボクはそんなことを考えていませんでした。その証拠に、干支が一周回っても、いまだに独身です。その時点で彼女の25歳まであと15ヶ月です。
 三ヵ月後、彼女の誕生日がやってきました。また同じことを言います、「絶対に25歳になるまでに結婚したい」と。ボクがモンゴルに半年張り付いたのは、その直後のゴールデンウィークからです。

 上記のとおり、モンゴルには電話がありません。つまり、彼女とのタイムリーな通信手段がまったくないのです。もっとも会社とのタイムリーな通信手段もないのですが、これはこれでありがたいことでした。
 さすがに彼女も怒っているかもしれないと思って、ウランバートルに出た際に、一度オペレーター経由日本に電話しようとしたのですが、オペレーターがモンゴル語しか話せずあえなく沈没。。。
 ボクは、さまざまな遊牧の民のところに行くたびに、彼女に書いた手紙を渡して、ポストを見たら投函してくれ、とお願いしていました。毎週のように手紙を書いていたので、20通くらいは書いたと思います。

 そして、遂に、もう冬になるという頃に帰国することになりました。
 彼女のもとに行くと、「どうして連絡しなかったの??」と激しく怒られました。「電話がなくて、、、でも、手紙は送った。。。」などとシドロモドロになりながら答えると、彼女は、「私の25歳が迫っているので、見合いして結婚することにした」と言い出したのです。「それなら仕方ない」と言うと、泣きながら去っていきました。
 年が明けて、バレンタインデーに彼女は結婚しました。24歳と10ヶ月目です。その頃、ボクは孤独な25歳を迎えていました。
 しばらくして、彼女(もう、誰かの奥さんです)から連絡がありました。「手紙が毎週届くんだけど。。。消印は1年近く前だけど。。。本当に送ってくれていたのね。。。」
 彼女は約1年後に離婚しました。
 そして、ボクはいまだに独身です。

 後に判ったことは、彼女が見合いを真剣に考え始めたのは、ボクの「それなら仕方ない」のあとだったということでした。
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posted by ぱんちょなあおのり at 02:18| Comment(3) | TrackBack(0) | ぱんちょな恋の物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつ読んでも悲しい物語です。
後世まで語り継がれることでしょう。
Posted by Akky at 2006年07月11日 12:15
 我ながら悲しいのです、、、これは。。。
Posted by Pancho at 2006年07月19日 01:07
はじめまして
あるサイトから流れてまいりました

縁とは 本当に不思議なものですね
どんなにお互いを求めていても 
少しだけタイミングがずれると
もうだめなのです

相手を思ってそうした とか
自分には資格がないのだ とか
相手の態度がはっきりしないからだとか
連絡が無かったからだ とか

全部いい訳ですね
本当の自分の心を見つめなかっただけ
心から求めていれば どこまでも追いかけていくものです

お相手の方が離婚して独りになったのも
あなたが一人でいるのも
お互いを忘れられないからではなく
自分が可愛いからですね

ですが もしかしたらそこに本当の愛があるのかもしれない
そういう 希望も夢もまた真実も
もしかしたらある可能性がある

それが 切ない想い出の話となって 心を打つのでしょう
もしかしたら・・・

希望の光が キラキラと輝いて見えたりして
夢を見ちゃいました
ありがとう
Posted by Miruba at 2007年04月30日 01:12
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