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2006年12月28日

日中戦争70年

 2007年は、日中戦争の発端となった盧溝橋事件や南京虐殺事件から70年目にあたるらしい。
 70年という節目の年ということで、大規模な反日行為が再燃する可能性が高く、日中の関係者が神経をとがらせているとのことである。

 個人的には、70という数字のキリの良さは判るが、70年を節目と言っているのはマスコミや直接関係のない人たちで、例えば南京の住民にとっては毎年が節目のはずである。
 
 それはそれとして、1989年の天安門事件の頃以来、毎月のように中国各地には行っているが、目に見えて反日行為が見られるようになったのは、世紀が変わった頃からのような気がする。
 もちろん、それまでも、局地的に、もしくは小規模には、反日行為が見られたが、関係者(特に中国当局)が気にするほどのものではなかった。
 最近の反日行動に一番ビビッているのはオリンピックを目前に控えた中国当局であろう。例え対象相手が日本一国であろうとも、ある国に対して反対感情を持っているということがメディアを通じて世界に報道されることはホスト国としては得策ではない。

 少なくとも1990年代初めの中国では、都市部においても、反日行為を楽しむ(?)余裕など人民にはなかっただろうし、活動が大規模化するほど情報や言論が自由ではなかった。
 ここ数年は、急激な経済発展による個人レベルでの経済的な余裕と情報の入手の容易さが、活動の大規模化に繋がっていることは否定できないであろう。

 また、洋の東西を問わず、国の発展過程において国を挙げて外国を敵視することで国民の意識を高めるということはよくあることである。
 その時期が各国で違うことはどうしようもないことである。
 日本では、その時期が遥か前に過ぎ去ってしまったが、「鬼畜米英」と大騒ぎしていたのは、まさに日中戦争が始まろうとしていた頃である。

 その当時(1900年代初頭)のアジア情勢において、日本が中国や朝鮮半島を始めとするアジア各国に侵略したことが必然であったのか偶然であったのかは、歴史家が評価するのだろうが、少なくとも、欧米列強(実際には欧州列強というべきだろうが)のアジア進出が激しさを増す状況において、日本が進出していなくても欧州の大国が北東アジアを植民化するためにやってくるのは避けられなかったであろう。
 当時、世界有数の軍事力を持っていた日本が自国を守ることはできても、他の北東アジア諸国は間違いなく東南アジア諸国のように植民地化されていたはずである。

 日本が取るべき行動は、今になって考えれば、欧米列強をアジアから追っ払うだけでよかったはずである。
 しかし、結果的には、国盗りゲームに自らも参加してしまい、不必要だったかもしれない殺戮を繰り返してしまった。もっとも、その時代に生きていないので、当時の社会情勢や世界情勢など判らないが。
 いずれにしても、歴史上の事実は厳然として存在している。
 その事実がある以上、国家として敵対行為を取られてしまうことは仕方のないことである。

 数日前、20年来通っている北京のマッサージ屋の仲の良いオーナーと雑談していた。
 このオーナー、黒龍江省で育ったあと北京にやって来て以来、一度も北京から出たことがないという典型的な古い中国人である。
 たまたま世界の様々な国の話題となり、話の流れの中で、「中国は日本より約25倍も面積が大きい」とこのワタクシが言うと、「だから、日本は1937年に黒龍江省に侵略してきたのか?」と彼は言った。
 たいして学のあるようなオーナーではないが、その男の耳にまで、「70年の節目」の話題は届いていたのである。
 このオーナーとの長い付き合いの中で、「65年の節目」や「60年の節目」は話題になったことがない。
 中国の一般レベルにまで、国の歴史が浸透し始めている。
 つまり、人民が生きることに精一杯で国家レベルで何が起こっているかもよく判っていなかった1900年代とは違って、今では一般レベルで世界情勢を判るようになってきている。
 すると、一般レベルの「呟き」がネット上などに出てきて、日本では、「すわ、反日か」と大騒ぎになる。
 そりゃ、日本を好きなヤツも嫌いなヤツも世界中にはいまっせ。
 しかし、日本の一般レベルでは、真剣に反論するヤツまで出てきて、歴史認識も曖昧なまま感情だけで「中国人はケシカランっ」とか「日本が攻めたのは清や中華民国であって今の中国ではない」というような意味不明な発言が飛び交ってしまう。
 「国−国」の話ではなく、「個人(ある日本人)−国(中国)」の話になってしまっているケースが多い。
 オーナーも半分冗談で言っているので、「スペインが来るより日本が来た方が良かっただろう?」とこちらも冗談で聞くと、「同じ漢字だからな〜」と言っていた。
  
 南京大虐殺がどの程度の規模であったかなどいろいろと意見もあるが、少なくとも日本が(日本にとっては正当かもしれない)ある理由で北東アジアに進出したことは事実である。
 その結果、決して少なくはない人間が死んだことも事実である。
 それに対して、反日感情を抱くということは、自然な人間の行為である。

 原子爆弾を二発落下させた国に擦り寄っている方が、人間感情的におかしいような気がしてならない。。。


(引用)
<日中戦争70年>イベント多数計画 反日感情再燃を懸念
(毎日新聞 - 12月27日 19:00)
 来年は日中戦争の発端となった1937年7月7日の盧溝橋事件や12月13日の南京虐殺事件から70年の節目の年だ。中国では既に映画やイベントなどが多数計画されているが、反日感情が再燃するのではないかと中国外務省をはじめ関係機関は神経をとがらせている。
 中国江蘇省南京市で13日、南京虐殺事件から69周年の記念日に合わせてサイレンが鳴り響いた。工事のため閉館している「南京大虐殺記念館」の前庭で追悼集会が開かれ、国内外から約3000人が参列した。例年通りの大規模な記念行事だが、70年後の来年は、更に関連行事が増える。
 この「南京大虐殺記念館」は、来年12月13日に3倍の広さに拡張される。来年末には事件の被害者の名簿がまとめられ、初めて出版されることも決まった。
 特に注目を集めるのは、南京虐殺事件を描いた映画3本の製作だ。
 中国映画「南京!南京!」は来年1月から撮影が始まる。第17回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した「可可西里(ココシリ)」の陸川監督が、メガホンを取ることでも期待は高まっている。また、盧溝橋事件から極東国際軍事裁判までの歴史を描いた香港人監督が製作する「日記」は来年末に上映される予定。ハリウッドと江蘇省文化産業集団の製作する「南京浩劫」は、撮影セットの建設が始まった。
 映画は3本とも、従来の中国戦争映画にありがちな旧日本軍の残虐性を強調するものではない。娯楽映画になじんだ一般の中国人にとって、歴史映画への関心は低く、人間の心理と史実の描写に力点が置かれている。
 これは、観客動員力を高める狙いのほか、中国政府が05年4月の反日デモ以降に採用した「客観的な歴史観」を反映している。
 「05年の反日デモは大きなきっかけだった。正しい歴史教育をしなければ、偏狭なナショナリズムに陥る可能性が高い。客観的で、正しい歴史観を若い人に教えていくべきだという考えが、中国政府の中で広まった」と中国の日中関係専門家は解説した。
 この専門家によると、反日デモが収束後、ドイツ、ポーランド、イスラエルなどに駐在する中国の外交官が、各国の歴史記念館を視察して比較検討した結果、「中国の歴史記念館はイデオロギー色が強すぎて、時代遅れだ」との認識に至ったという。
 これを受けて中国政府は、日中関係における歴史認識について(1)中国人だけが戦争被害者でなく、日本人も被害者の立場にある(2)戦後の日本による平和の歩みを認める−−などの方針を確認したという。
 しかし、中国にとって抗日戦争は新中国建国の基礎である。中国共産党の求心力が低下する中、党の威信を高めるため繰り広げられる宣伝活動では、抗日戦争がクローズアップされることが多い。節目の年の来年は、抗日戦争を取り上げる機会が一層増えるとみられる。日中間の政治的な雰囲気によっては、反日感情を呼び起こす可能性もある。
 こうした日中関係に配慮して、映画「南京!南京!」では、多くの日本人に出演してもらうため役者の募集を始めるなど、日中協力のイメージアップを図っている。
 一方で中国の映画関係者は「いろいろな情報が流れて混乱している。メディア対応は現在、一切しないことにしている」と取材を拒否した。日中間で未来志向の歴史認識を打ち立てる努力がようやく始まった重要な時期でもあり、神経質になっているようだ。
(引用終)
ラベル:反日感情
posted by ぱんちょなあおのり at 11:19| 奈良 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | あおのりの新聞を読んで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
靖国神社の首相参拝と教科書の内用にに対して文句をつけるのは如何なものかと。。
Posted by インディアンカレー at 2006年12月29日 14:10
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