現実問題として、オリックス、ソフトバンクの両者が契約の正当性を主張し、リーグもそれを認めている以上、何らかの解決策がない限り永遠に議論が続くわけで、今回の勧告がどんなものであっても、誰もが納得することはないと思われる。
しかし、今回の経緯が解せない。
まず、我々は資本主義国かつ自由競争国にいて、そこでビジネスをやっている以上、「出し抜き」は当たり前である。
このワタクシも、ビジネスにおいて他社を出し抜いたり、欺いたりすることはある。
だから、ソフトバンク本社とオリックス本社が、ビジネス上騙し合うのは勝手であり、文句はない。
ところが、プロ野球機構という、閉鎖的かつ現実的にロクな競争が行われていない社会において、「出し抜き」を行うと今回のようになることは最初から判っていたわけである。
つまり、ソフトバンク(いや、プロ野球関係者、プロ野球ファンの全て)は、今年最初の時点で、オリックスとパウエルが契約する可能性が高いことは判っていたはずである。
そのような状況で、オリックス−パウエル間の契約の盲点を付こうとする以上、ソフトバンクは、オリックス−パウエル間に契約書が存在しないという絶対的な確証を取る必要があったはずである。
報道から判断する限り、「代理人が、契約していない、と言っていた」程度の確認度合いである。
もちろん、オリックスのドン臭さにも意見はしたいが、ファックスでサインを取り、別途本契約をするというのは、球団の慣例だろうから、「これからは最初から本紙にサインを取ってください」と言うしかない。
いずれにしても、オリックスの持っている本紙ではない契約書をリーグが契約と認めている以上、オリックスに(ドン臭いという以外の)非はあるとは考えにくい。
そして、パ・リーグだが、これがまったくもっていい加減。
「オリックスの申請を受理しても選手本人が同意しなければ意味がない」ということで、ソフトバンクに在籍させるよう勧告したとのことだが、そんなことが許されるなら、FA選手がある球団と契約した後に、「やっぱりこっちが良かった」と言えば通ってしまうことになる。つまり、契約書なんてどうでも良いということになる。
冒頭に書いたとおり、今回の勧告がどんなものであっても、誰もが納得することはないとは思われるが、この一言が余分であったと言わざるを得ない。
例えば、この一言の代わりに、「当該代理人を追放する」とかであれば、少なくとも今後はこのような事は起こりにくくなるはずである。
結局のところ、約30年前の「江川の空白の一日(=最後は、選手の行きたい球団に行かせる)」以来、プロ野球界は何も変わっていない。
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(引用)
パウエルはソフトバンクに=パ連盟、6月末登録を勧告−プロ野球
(時事通信社 - 02月04日 19:32)
パ・リーグの小池唯夫会長は4日、前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)がソフトバンク、オリックスと二重契約状態になった問題で、6月23日以降にソフトバンク側の支配下選手契約を認めるとする解決策を両球団の代表に勧告した。
パ連盟はこの日、前日来日したパウエル投手から電話で事情聴取した結果、契約合意したとするオリックス側の主張と同投手の見解との相違を確認。「(オリックス側の申請を)受理しても選手本人が同意しなければ意味がない」(小池会長)として、より実現性の高い選択を下した。
[時事通信社]
(引用終)
ラベル:野球
パウエル、いいピッチャーなんですよね〜。
タイガースに来て欲しかった…。
まったくです。
しかし、ソフトバンク方式を使えば、今からでも取れるかもしれません。
ついでにグライシンガーも。。。
先発で確実に10勝以上できるピッチャーは日本人投手といえどもそうはいませんからねぇ〜。
確かに。
井川といえども、やはり痛いですね。。。
“ぱんちょのプロ野球春季キャンプレポート”を楽しみにしております!
鋭意努力します。